すっぽこ通信 9/4号

2ヶ月もご無沙汰してしまった、すっぽこ所長です。
まだまだ暑いですが、お店によってはあと一ヶ月で…

すっぽこ解禁♪



もうそんな季節なんですねー。

そんな折り、小文字「a」主任研究員からメールが届きました。
メールのタイトルは「すっぽこ稟議書です」。
さて、久しぶりのすっぽこ通信、始まり、始まりぃ〜。
 
 

 
■Subject: a主任研究員@すっぽこ稟議書です
 From: a主任研究員
 To: すっぽこ所長


私、去年に引き続き、生涯学習センター主催の「仙人講座」で、
スローフードに関する講演をすることになっているのですが、

今年もいよいよ明後日にせまり、今回の講演では、
「すっぽこ」についての話題にも触れたいと思っております。

何しろ聴講される皆さんは60歳オーバー。
ご両親または祖父母などから
「すっぽこ」を作ってもらったかもしれない世代の方々なんです。

メインの話題とまではいきませんが、

中盤の中だるみにさしかかり、
一人、二人、うとうとする人が出た頃を見計らって、

「みなさーん、すっぽこ、ご存じですか〜、イエーイ」

くらいの事は言っちゃってもいいかなと思っております。

ということで、所長へあらかじめの許可をいただかなくてはと思い、
メールを差し上げた次第です。

ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

                    a主任研究員
 
 
■Subject: Re:a主任研究員@すっぽこ稟議書です
 From: すっぽこ所長
 To: a主任研究員


「すっぽこ研究所」a主任研究員 殿

貴殿の日頃からの研究姿勢及び実績を高く評価するとともに、
さらに「すっぽこ」を広く啓蒙せんとする志しを鑑み、
下記申し出に対し、当研究所が所有するすっぽこ情報のすべてを
大いに活用することをここに許可する。
また、今後も今日までの研究成果に甘んじることなく、
すっぽこ研究に邁進されることを祈念する。

  平成十七年八月二十三日

           「すっぽこ研究所」所長 nagaoka


■Subject: すっぽこ日報@a主任研究員
 From: a主任研究員
 To: すっぽこ所長


8月25日、生涯学習センター主催の
「仙人講座」にて講演を行ってまいりました。
第1部は、食文化史研究家の永山久夫氏
第2部が、私、スローフード協会員のa主任研究員

という構成で、私の持ち時間は1時間。
当初は、スローフードの活動や地産地消をメインに
話をすすめようと思っていたのですが、
すっぽこの話題を口にしはじめたら止まらなくなってしまい、
全体の中で約15分くらいを「すっぽこ話」に費やしてしまいました(爆)。

会場にいらした100名弱の方々はだいたい60歳から70歳が中心。
これはもう、有力情報つかみ放題じゃん!
とコーフンしながら、

「みなさーん、すっぽこってご存じですか〜?」

と質問を投げかけたのですが、
反応されたのは、なんとたったお一人・・・・(涙)

「すっぽこんねくて、しっぽこだべ〜」。

山形では、「しっぽく」「すっぷぐ」など
さまざまな言い方があることを説明させていただき、
また「すっぽこ」が訛ではなく、
「しっぽく」と同等の言葉というくだりには、
その方も大変おどろかれている様子でした。

ほかのみなさんは、
「へ〜、そんな食べ物があったのか〜」
といった感じで、

 ・私が「すっぽこ」を知ったいきさつ、
 ・その所長が研究所を立ち上げたこと、
 ・現在の疑問点、解明点などを語り、

はっ!と気付いて時計を見たら、
持ち時間のタイムリミット10分前を超過。
あわてて次ぎの話題に移ったのでした。

今日のことからも、すっぽこの歴史を紐解くのには、
相当数の聞き込み調査をしていかなければならず、
この研究の道の険しさを思い知らされた結果となりました。

それと同時に気づいたことは、
「すっぽこ話だけでも1時間の講演が可能かも」
ということで、

今後は研究だけにとどまらず、
認知度アップのための「すっぽこ出張講座」も必要かもしれません。

以上、本日の日報にかえて  a主任研究員
 
 
■知ってる人しか知らない「すっぽこ」の希有性

…を痛感した所長である。
日を改めて、遠距離情報提供者である南郷力丸氏からのリポートをお届けする予定でいるが、それにしてもすっぽこ恐るべし。私自身もすっぽこの話題になると止まらなくなるので、立ち話程度で質問されても答えないように心がけているほどだ。

前置きはこれぐらいにして、会場での反応にいたくショックを受けている。a主任研究員の思惑にもあるように、60〜70歳の方が100名も一堂に会する機会に恵まれることは、またとない。様々なすっぽこ情報が寄せられるだろうと期待するのは無理からぬ話だ。しかし、実際に反応してくれたのは1名…。うーん。わずか1/100である。1%である。

この数字が、とどのつまりは、私がメニューに書かれた「すっぽこ」の文字を初めて目にした時の不思議さと驚きを、如実に物語っている。1%の人しか知らない料理が食堂のメニューに載っていることというのは、普通あり得ないのではないか、ということである。その店のオリジナルメニューならともかくである。

メニューを見て、「これおいしそう♪」とイメージできるのは、その料理を知っているか、またはその名前や写真(載っていれば)、または素材や調理法など(載っていれば)がわかる場合に限られる。当然、イメージできない料理の注文率はとてつもなく低いはずだ。仮に「これなんですか?」と聞く客がいて、実際に注文し食べた経験率が増えていくとしたら、今度は逆に、認知率1%という数字があり得ない気がするのである。

かつてメニューに並んでいたすっぽこが、姿を消していった事情については、これまでのすっぽこ通信でも触れてきたが、作るのに手間がかかる、お年寄りの一部の人しかめったに注文する人がいなくなった、料理そのものを知ってる人が少なくなった…大きく言ってこの3点である。

では、今もメニューに残している店は、そこにどんな想いやポリシーがあるのだろうか。まもなくすっぽこを置く各店では冬期メニューとして解禁になる。その一軒一軒を食べ歩き、そこんところを聞いてみたい!強くそう思う所長であった…。
 
 
すっぽこ研究所では、引き続き「すっぽこ」情報をお待ちしています。