湯の澤温泉 地蔵の湯

10数年ぶり(もっとか…)に再訪。
だいぶ前に浴場が新しくなったのは知っていたので、期待と不安半々。


午前中に入浴可能な時間を電話確認すると、宿泊のお客様が大勢いるため何時まで大丈夫かがはっきりしないとの答え。
客の動向次第ってことか…。
午後2時頃に再度電話。「1時間ぐらい、3時ころには行けますが入れますかー」。
そこで快諾の返事をもらいいそいそと。
「アブがいっぱいいるので、駐車場でクルマのエンジン止めてすぐにじゃなく、アブが落ち着くの待ってから外に出てくださいね」とのこと。
到着するとその通り。アブの歓迎をやり過ごしてから建物に向かう。

1本道の最奥にある1件宿なので、看板などはなし。
玄関のガラス戸にささやかに宿名が書かれているだけ。


ロビーカウンターで受付を済ませ、浴場へ。
なんの飾り気もない脱衣所だけど、必要十分。掃除も行き届いていて好印象。
浴室も同様。以前のような趣きは感じられないものの清潔感があり、カランも充実していた。

源泉は1号、2号と2本、後者が新源泉のようだ。
湯の澤温泉と「温泉」と名乗ってはいるが、8℃の冷鉱泉。
適温まで加温し、加水は行わないものの循環ろ過・消毒あり。
2号源泉だけを湯口から掛け流ししているとあった。

かといって、湯船からオーバーフローしているわけでもないので、
よく言う「半掛け流し」でもない。
湯口でお湯を舐めても、ナトリウム-塩化物温泉、いわゆる食塩泉なのに全く塩っ気がない。
よく分かりません。
この日がラッキーだったのか、塩素臭もゼロ。

あれれ〜と思いながら身体を沈めてみると、いやはや肌触りの良いこと。
するする、ヌルヌル、pH8.1は伊達じゃない。
供給方法に「?」が残ったものの、それを差し引いても実に素晴らしいお湯です。
きっと決して多くはない湧出量を大切に丁寧に湯守しているのだろうと思う。


羽黒山の近く、千年以上の歴史を持つと伝えられる庄内最古の湯。
湯井戸が地蔵権現山と呼ばれる沢にあることから「地蔵の湯」とも呼ばれるという湯の澤温泉。
名湯に映る緑陰が美しい。
大きな窓から外を眺めると、沢の対岸に湯を見守る地蔵の姿を見ることができた。


■湯の澤温泉 地蔵の湯
山形県鶴岡市添川湯ノ沢5-甲
0235-64-4170
湯の沢温泉1号源泉・2号源泉:ナトリウム-塩化物温泉
立ち寄り入浴 大人:400円
*日帰りプランがあるので「立ち寄り」と区別しました。
*その日の宿泊客の多少により立ち寄り入浴可能な時間が異なるようなので、要電話確認。


#写真はすべてRX100M3