滑り納め IDEHA鳥海ツアー

cho2.jpg
 
 
なんという奇跡。こりゃ、狂う♪

すでに季節は自転車。
テレマークスキーの道具一式は来シーズンまで無用と、ガレージにしまい込んだのだった...が、テレマーク&マウンテンガイド IDEHAさんのblogを見ていたら、「滑り納めIDEHA鳥海ツアーのご案内」なんて記事が。

ほぉ〜♪と眺めていたそんな折り、代表の石沢さんが事務所を訪ねてきてくれて、なんだかんだと話しているその場でつい、ツアー参加をお願いしてしまった。
集合場所は、祓川登山口の駐車場に当日朝7時。
前夜入りしてBBQでもしながら車中泊という案もあったのだが、雨模様の天気予報で、しかも女性の参加者もいるため、ほとんどのメンバーが鳥海荘に前泊することになった。ならばと、夕食と温泉だけお世話になり、大盛り上りの天気祭りの後、宿の駐車場で車中泊。iPodで何か聞きながら寝ようと選曲しているうちに、落ちた。

090524chokai_03.jpg 090524chokai_04.jpg 090524chokai_01.jpg 090524chokai_05.jpg

前日、米沢のウォーキングコース取材で10キロほど歩いてから鳥海高原入りしたのと、昨夜の楽しい酒のおかげで、よほどグッスリ眠ったのだろう。アラームをセットした30分前に起床。昼飯用のカップヌードルのためにお湯を沸かし、ポットへ。残りのお湯でコーヒーをいれる。この時点でまだ霧雨。肌寒い朝に熱いコーヒーが美味しい。
出発する頃になって、少し晴れ間が見え始める。祓川口駐車場へ向かう途中、みるみるうちに青空が広がり、つづら折りの道の両側は、残雪の白と萌え出したばかりの新緑と青空。これ以上ない爽やかな自然のコントラストに目を奪われ、写真を撮るのも忘れていた。

090524chokai_06.jpg 090524chokai_08.jpg 090524chokai_15.jpg

駐車場で準備を済ませ、いよいよ登り始める。なにせバックカントリースキーだって経験がほとんどないうえに、初めての鳥海山。どこまで登るのか、体力は持つのか、無事に滑り降りれるのか...期待以上に不安がいっぱい。案の定、あっという間に修験者のごとく苦行と化す。七ツ釜の避難小屋まで辿り着いた時には息も絶え絶え。しかも(今だから言うけど)七高山まで行くのだとようやく気が付いた。要するに山頂ですよ、山頂(笑)...つか(泣)。 *鳥海山のホントの山頂は新山ね。
天気祭りの宴でも、今日になっても、参加者の誰からも「どこまで行くの?」という話題が出ないのを内心不思議に思っていた。登頂=デフォだったのだ。あ〜。

090524chokai_17.jpg 090524chokai_18.jpg 090524chokai_19.jpg 090524chokai_20.jpg

「マイペースでゆっくりでいきましょう」と、石沢さんが声をかけてくれる。それでも、一歩一歩、左右交互に足を出さないと前に進まない。当たり前だ。ところがそれが出来ない。そのうち苦し紛れに、足を運ぶ時、もう一方の足を追い越さずに一度揃えて一瞬だけ休んで、そこから再度前に出す...2段ロケット式歩行を編み出した(ロケットの勢いはない)。というより、まるでフォークダンスのステップみたいだ。アタマの中ではマイムマイムが流れ始めるし。
七高山直下の最後の急斜面、舎利坂。(もうやめよう)「マイムマイム」(ぼくここでいい)「マイムマイム」(ぜえぜえはあはあ)「マイムマイム」...何度繰り返しただろうか、喘ぐ太ももの忍耐がついに切れかかる寸前、先を行くメンバーの「着いたー」という声が聞えた。
11時半...だったか...七高山到着。 だ〜。

090524chokai_24.jpg 090524chokai_27.jpg IMGP1345.jpg

七高山山頂はガス。記念撮影後、昼食。スキーを脱いでのちょっとの移動も、足がガクガクして力が入らない。下りの脚は大丈夫だろうか。昼飯を食べ終わってもガスは引かない。せっかくだからと晴れ間を少し待つが、気配なし。ゆっくり下り始める。
雪質は最高のザラメ。ひっかかりもなく、ウロコ板のカルフXCDガイドはシャラシャラとよく滑り、オーバースピード気味。反省。斜面にかかわらず、もっと思い通りにコントロールできるようにならなくては。
まもなくして、信じられない景色が眼下に広がった。一瞬のうちに立ちこめていたガスが、文字通り霧散し、視界には青空と雲海の絶景。見渡す限りの、雲、の、大海原。こういう光景の前では、人間はただの猿である。
 
cho1.jpg

cho3.jpg

cho4.jpg

再び、祓川口駐車場に帰着した頃には、辺りはまたすっかりガスに包まれていた。道具をクルマにしまい込んでからフォレスト鳥海まで下り、「心地良い疲労感」をかなりいき過ぎた疲れを温泉で癒す。昨日お世話になった鳥海荘と同じ、Ph8.7という強アルカリ性一歩手前のヌルヌルした泉質。塩化物泉でもあるので、カラダが芯から温まった。 *モザイクかける場所はそこじゃないだろう(笑)

090524chokai_34.jpg 090524chokai_35.jpg IMGP1360.jpg

山形や仙台への帰路につく参加メンバーと別れ、ぼく一人日本海側に出て酒田へ。そのまま1泊して、翌日はまた20kmほど取材で歩かなければならない。なんだか、とても名残惜しかった。山も、人も。寂しさとは違う。IDEHAの石沢さんや今日のガイド役の210さんをはじめ、ツアーに参加した皆さんのおかげで最後まで登り切り、素晴らしい瞬間に出会い、無事に降りてくることが出来た。その、感謝。

本格的に雨が降り始めた7号線を南下しながら、数時間前に見た雲海の光景と一緒に、ぼくは人の"縁"ってやつをずっと考えていた。
 
 
TB:IDEHA鳥海滑り納めツアー - IDEHA Blog
 
 
人気ブログランキングへ
↑ぼくは"キミ"に出会ったから、この場にいられたのです...クリック!