仕事と趣味

今回、東京をはじめとする出張取材は、
東北芸術工科大学の卒業生の今を紹介するためのもの。
これから大学進学や将来を考える高校生に、
自分の未来像の一端をイメージしてもらえたらという
主旨に添っている。
その話や活躍ぶりを聞くのは、なかなか楽しかった。
中でも興味深かったことがある。

遺跡や遺物の復元やレプリカ制作をする会社の
営業推進を担当している卒業生はこんなことを言った。

「趣味ですか?えーっと、現地調査です(笑)
 旅行に行ってもつい地図を広げてその辺を調べ歩いてしまいます」

また、美術館の学芸員を務める卒業生はこんなふうに言う。

「寺院などを見て歩くのが好きで、暇があれば出掛けていきます。
 昨日も実は夜行で奈良まで行って来たんです」

有名アーティストのCDジャケットデザインを手がける卒業生は端的だ。

「僕にとっての“仕事”とは、“趣味”です。
 だから辛くないし一生懸命になれるんだと思います」

CMなどのCG制作を担当し、個人で開設しているHPには、
世界中からアクセスがある卒業生は、極め付け。

「子どもと遊んでいても、ついどちらかを考えてしまうんです。
 要するにいつも考えている。ビョーキですね。
 子どもの顔がモニターに見えたら、病院に行こうかと(笑)」

その一方で、今も忘れられない印象深い一言がある。
公務員をしている僕の後輩に、
面白そうな部署に異動して楽しそうだね、と聞いた時のこと。

「仕事が面白かったり楽しいわけないでしょ」
 

「仕事」ってなんだろう。



趣味(好きなこと)は仕事にしたくない、とか、
趣味は仕事じゃないから楽しい、って話をよく聞く。
「タクの主人は仕事一筋で、
な〜んにも趣味がないんでござーますのよ、ったく。オホホホ」
などと言われてるお父さんだって多い。

逆に、
家事に追われる主婦の趣味が、洗濯、とか。
コックの趣味が、料理、とか。
大工の趣味が、木工クラフト、とか。
コピーライターが、個人ブログ書く、とか(笑)
そんな場合だってある。

僕は、広く浅く(要は全部中途半端ってことだが)、
趣味がいろいろある。
その中で、もし仕事になるものがあったら喜んで仕事にする。
料理にしたって、ウクレレにしたって、
喜んでくれる人が家族や友人以外にもいて、(←これ重要)
報酬を受け取る自信(というより“勇気”かな)が持てるならね。
単にそういう状況にないだけで、
仕事と趣味の間に仕切り(ケジメ)を設けようと思ったことがない。
そのうえで、

仕事は趣味のように楽しく、

趣味は仕事のように真剣に。



言い方を変えると、仕事が趣味ならもっと楽しくなるし、
趣味が仕事だったらもっと充実する。

これが僕の理想。

んじゃー、このブログは? …というと。

実はけっこう、仕事よりもつらい(笑)
正確には、ツラタノシイかな…。その感じがいいのですがね。

さて、あなたは、仕事と趣味「間仕切り派」?「ワンルーム派」?

 
 
仕事は趣味みたいなもの - ヨシオトオルが行く tooru-y.com へのTB(2005.10.08 追記)