ブログを通して

言戯: 納品完了! へのトラックバック

ニフティのパソコン通信が僕のネット事始め。
フォーラム、会議室で知り合った方と、
直接会う(オフ=オフラインミーティング)経験も少なくない。
その中には、何度もキャンプをご一緒させてもらった
北海道の友人たちもいて、北海道は第2の故郷、
友人たちは遠い親戚とまで思えるようなお付き合いを
させてもらっている。

仕事柄ネットで取材先を選び、
直接(メールや電話で)アプローチすることもある。

僕にとってネットの向こうにいる方々は、
決して現実離れした、あるいはバーチャルな存在じゃない。
それを、このブログを見ている方々にも感じてほしくて、
本名など素性を明かして日々を綴っています。

匿名性は、ネットのメリットであると同時に、
その何倍ものデメリット(危険性)を育んでいるとさえ思う。
ま、それはともかく。
 
 

先日、ある仕事が来た。
過去にもずっと企画デザインを担当させてもらっている、
ポスター制作の依頼だ。
いろいろと打ち合わせをしているうちに、
僕の頭に、あるイラストのイメージが沸き上がり、
固まってしまった。(←あまり良いことではないです)

しかし、それを実現するのはちょっと無理があった。

そこで他の方法にもアプローチしてみるが、
やっぱりイメージが違う。

どうしようか…と、迷うこと3分(笑)
「ええい、ままよ!」とダメ元で、メールを出してみた。

「イラストを描いてもらえませんか?」

そのメールの宛先は、今、飛ぶ鳥を落とす勢いの、
(ご本人は飛ぶ鳥を決して落とさないようなやさしい方です…と思います)
超人気ブログ「言戯」の寿さん、その人。

山形新聞にも、共同通信配信で記事が載ったので、
記憶に残っている人もいるかもしれない。

僕自身以前から、「言戯」を読まないと
一日が始まらないし、終わらない…という大ファンで、
その軽妙でツボを心得たイラストも大好きだった。

打ち合わせの途中で、寿さんのイラストのタッチが、
ありありと浮かんできて、
どうにも振り払うことができない状態だったのである。
 
 

メールの返事がそれほど間をおかずに返ってきた。

「やらせていただきます」

「へ? うそ? (・_・)」
しばし現状を飲み込めない僕。
しかしその5秒後(←遅い)

「っしゃー!」
(※僕の、っしゃー!ポーズも描いてくれないかな…笑)

ディレクターの仕事というのは、
企画やアイデアを練り上げるだけでなく、
それぞれの素材(コピーや写真やイラスト)を、
誰にどう依頼するかも大切な役割のひとつ。
逆に言えば、ここまで終わったら、
仕事の8合目を越えたといってもいいぐらい。

あとは、しっかりデザインとしてまとめ、
お客さんにプレゼンし、調整していく。
8合目から頂上までがキツい場合もあるけどね…。

さて、翌日、寿さんから最初のイラストがメールで届く。
「う〜ん。。。。。」
第一印象は(緊張しているのかな…?)だった。
決して悪いイラストではないのです。ただ、ただ…、
いつも「言戯」で拝見している、自由闊達なタッチが感じられない。
僕の伝え方が悪かったか、足りなかったか…反省。

そこでより正確にニュアンスを伝え直すべく、
電話であれこれと打ち合わせをさせてもらう。
(うんうん、伝わってるという確かな実感!)
書き直しの依頼は心苦しいが、次こそはきっと…と確信する。

そして、さらにその翌日、メールが。
予算も少ないし、再度の書き直しはお願いできないぞ…南無三!
メールを恐る恐る開く。
 
 
「!」

寿さんらしい伸び伸びとしたタッチ、
大胆に生き生きと躍動する線。
そして思わずクスッとしてしまうユーモア。
僕が最初の打ち合わせ時からデジャブーのように
思い浮かべていたイラストが、そこにあった。

さっそく、大きくプリントアウトしてみる。
「いいなぁ♪」笑いが止まらない。
即、寿さんに「完ぺきです!」とメールしたのは言うまでもない。

今週末、このイラストを使ってデザインしたポスターを、
お客さんにプレゼンする予定だ。
ここから覆ることも業界では決して少なくない。
だから、今の時点でここまでの内容を書くのは、
かなり冒険でもあるのだが、
自分自身にプレッシャーをかける意味で、
公開してみようと思った次第である。

いい結果を報告したいなぁ!

ビジネスで企画デザインをしている以上、
自分個人の好き嫌いだけで
写真やイラストを決定するわけにはいかない。
しかし、そんな制約の中でもできるだけ気に入ったものを
提案のテーブルに乗せようと心がけている。

でないと、仕事も楽しくないですもん♪