はじめて「檀家」になるよ! ─お寺と戒名と檀家…その費用について─

先般、義父が亡くなった。
義父は五男、お墓を新しくつくらなければならない。
実父は長男なのだけれど、事情があってこちらも同様。

しかも妻は一人娘であるため、妻の「家」は義父母で終わる。
そこで、義父の生前から、先々のことを考えて
「両家の墓」としてみんな一緒に入っちゃおうと決めていた。
そうすれば少なくともぼくの子供たちの代までは、
4人の祖父母、妻とぼく…1つの墓をお参りすれば済むからだ。
墓は1つ、入る家は2つ。

事情は飲み込んでもらえただろうか。
ここまでがイントロダクションである。
 
 
そして、最初に書いたように義父が亡くなった。
相続についてもビックリするほど面倒なことだった。
妻に兄弟がいない分、これでもラクなんだろうと思うと、
いやはやであるが、今回は、お寺さんの話。
 
 
義父は院号をいただいた。
その理由については面倒なので省略する。

1)墓地の地代
2)墓石代
3)入壇料(檀家になるためのお金)
4)檀家料(年会費)
5)位牌堂の地代

ざっとこれらの費用がかかる。どんな宗派やお寺さんでも、
初めてお墓をつくる(檀家になる)時は同じだろうと思う。
葬儀・法要のお布施や、仏壇・位牌などの購入費は除いてね。
 
 
さあ、具体的な金額を明示していくよ。

1)墓地の地代:110万円

2)墓石代:これからなので未定
*山形市某社の最多価格帯は150万円前後

3)入壇料(檀家になるためのお金):両家それぞれ20万円=40万円

4)檀家料:12,000円〜22,000円まで4段階
*義父が院号をいただいたので、
 両家それぞれ一番高い22,000円(年)=44,000円(年)

5)位牌堂の地代:10万円(幅1尺)〜23万円(幅1尺5寸)まで6段階
*奥へ行くほど高く、院号をいただいたら奥の方、
 20万円とか23万円の場所じゃないとダメ
*両家別々に場所をいただかないとダメ

さらに1)院号:50万円
*最初に義父がいただいたので、その後もみんな院号をもらわないとダメ
 その都度50万円かかる

さらに2)院号をいただくということは、檀家としての位も高くなり、
寄付金などの割り当ても多額となり、将来的に負担も多くなる

以上の内容は、「じゃないか?」「回りから言われた」
「他のお寺さんではそうだ」
などが入り交じったうえで出来上がっている。

疑問がいっぱいあった。
・後の者が「院号いらない」って言うことはできないの?
・義父が院号もらったから
 妻の家の檀家料が一番高いのはしょうがないとしても、
 ぼくの家もなんで一緒なの?
 (そもそも、檀家料の4段階は何で決まるの?)
・何年か前に檀家になった家では入壇料などなかったって話だけど?
・位牌堂も入口周辺じゃホントにダメなの?
・位牌を納めるたびに地代を払わないとダメなの?
・寄付金は院号(檀家の位)によって高くなるの?

父母たちも「どうなの?どうなの?」とぼくに聞いてくる。

…知らないってば(笑)
と笑っていられる場合でもないし、
自分自身モヤモヤしてどうしようもない。
そこで、ぶっちゃけて直接聞いてみることにした。

お寺さんに、特にお金のことって、聞きづらいよね。
でも、聞いた。

そしたら、こちらが抱えていた疑問は、すべて…
 
 
    NO!
 
 
・院号を授けること自体が特別なことで、普通はつけない
 義父の場合はその特別であって、
 だから後の者に院号を強要することなど絶対にない

・入壇料、檀家料(年会費)とも、
 お墓は1つなので両家「それぞれ」ではなく、
 両家「で」20万円、年22,000円

・檀家料の4段階は、院号の位で決まり、一般戒名なら安い

・位牌堂の場所は「どこでもお好きなところをどうぞ」
 墓地代と同じ永代費用なので、かかるのは最初だけ

・本来、院号は、生前にお寺や地域に尽くしてくれた人に授けるもの
 つまり、お寺からの感謝が戒名(院号)の位になると曲解してもよい
 当然、寄付などを多くした人が高い位の院号である場合が多いが、
 その逆ではない

 だから、院号を持つ檀家さんだからと多い寄付金をお願いするのは、
 心苦しいし、負担にもなるし、無理な場合もあるので寄付を強要しないで、
 その代わりどうしても院号をと望む人には50万円をいただくことにして、
 檀家の会で蓄え、何か入り用の場合、
 イザというときに拠出できるようにしている

 墓地の清掃だけは定期的に檀家のみなさんにお願いしている
 
 
以上である。

先にも書いたように、実際に、
檀家総代を務める父が亡くなったとき、院号いらないとお寺に言ったら
住職から「そんなワケにはいかない!」とひどく怒られ、
しぶしぶ了解したら、あとで100万円支払うことになったという例が、
山形であるらしいから、ひどい話だ。

院号を持つ檀家は、その位に応じた多額の寄付をあてがわれるという話も、
よく耳にする。そういうお寺がやっぱりあるのだろう。
 
 
菩提寺としてこれからお世話になるお寺さんは、
全くそんなことなし。
一つひとつの説明がとても正論で納得がいったし、
なによりも明快、良心的!
誤解、聞き間違い、思い込み、勘違い…で申し訳ない。
普通なら、お墓も2つ、檀家も2つの家であるところ、
墓地代だって1つ分しかお納めしないのに、
檀家としても一家として扱ってくれるわけだ。
もっといろいろとお聞きしたのだけれど、
このお寺さんで、この住職で良かったと、心から思った。
金額だけのじゃなくてね。
どこかは敢えて書きません。知りたい方は、メールください(笑)
ちなみに「時宗」です。
 
 
ところで、そもそも戒名(院号)ってなんなの?ってことだけど、
「院殿号」「庵号」「軒号」「斎号」とか実はいろいろあったり、
戒名自体はさらに、道号、位号などから成り立っている。
なかでもよく言われる院号とは「院」の文字どおり、
寺院を寄進するぐらいお寺に奉仕した人に授けられるもので、
昔は歴々の将軍にだけつけられてたんだってさ。
そう考えると、望んで院号がほしいと言うなら、
1億円だって安いよね(笑)

この辺はネットにいっぱい書いてあるので詳しくはググってね♪
例えばここが分かりやすかった。
「戒名とは/生前戒名普及会」http://www.kaimyo.net/pc/kaimyo1.html